星野廉の日記

うつせみのあなたに

巻物をめくりめくる

キャラクターがローラーでペンキを塗りながら走りまわっているゲームを見て、パソコンで見る文書に似ていると思ったことがあります。いま考えると馬鹿な思いつきですが、たぶんローラーという言葉から、スクロールやロールつまり巻物を連想したのでしょう。 …

言葉の綾を編んでいく

Lay it where Childhood's dreams are twined――Alice's Adventures in Wonderland by Lewis Carroll 生きていないはずの言葉が生きているかのように、さらには生きているふりを装いながら死んでいるふりをしているかのようにも、見える。生きているふりのふ…

言葉の綾を織っていく

言葉は生きているという言葉の綾をあざ笑うかのように、生きていないのに死んだふりをする。そもそも生きていないものは死ねないはずなのに、死んだふりをしているのです。死んだふりのふりが空回りしているとも言えます。 ふりのふりがカラカラと回っている…

漢字の顔と表情

漢字には感字の側面があるように思います。ひらがなやカタカナを見ると、それが形であることを忘れて、音に直して自分の中に入れている気がするときがあります。 漢字はその形がダイレクトに目に入ります。暴力的に入ってくると感じることさえあります。 痛…

おもかげを見る

毎日インスタグラムで更新される犬のアカウントを見ています。三年前に半年だけ飼った犬と同じ犬種が出てくるアカウントです。これが同じ動物だとは信じられないくらい、犬は犬種によって容姿ががらりと違いますが、同じ種類だとその面影をたどることができ…

意味は宙づりのまま、なぞり、えがく

一つだけという点が共通して、それぞれがばらばら 言葉の顔に過剰にこだわる 言葉を並べてわくわくする 漢字の造語力は大したもの 意味不明なものとは言葉 意味は宙づりにされたまま、空(くう)に「えがく」 例のゾウさんをめぐっての話 一つだけという点が…

愛は具象として立ちあらわれる

犬関連のインスタグラムのアカウントを見ていると、マグカップやTシャツやエサ用の皿に、犬の名前や生年月日だけでなく、顔や姿を印刷して販売するサービスの広告が目につきます。愛犬の画像を送れば、それをCGか何かを利用して商品に印刷するみたいです。 …

定型について

翻訳調の文体 翻訳調がなかったころ 初めての辞書 決まり文句 断絶 山を書く 翻訳調の文体 翻訳の仕事に携わっていたころ、「直訳」という言葉をつかってたしなめられたことが何度もありました。「英文読解じゃないんだから」とも言われたこともあります。 …

適度にままならないのがいい

ままならない、ままならないかも、ままならないなら、まままらないだろう、ままならないかな、ままならないでしょう、ままならないことはない、ままならず。 人生はままならないです。人として生きているのがままならないみたいです。現実だけが思いどおりに…

する、される

路上で負傷して歩けなくなり、通りかかった人におんぶされて、とりあえず安全な場所へと運ばれた。 見も知らぬ人の背中にひっしにしがみつきながら、涙が出てきた。その人の親切にではなく、情けない自分にではなく、悲しいその状況にではなく、懐かしさでい…

誰が語っているのでしょう

置きかえた瞬間に、そこに立ちあらわれるのが名詞だと思います。名詞が名指してそこに何かが固定される。名詞も「名指す」も、それに相当するものが自然界には見当たりません。あえて言うなら、自然界にあるのは動詞(「動き」ではなく「動く」)ばかりなの…

ありえない文章

ありえない文章を夢見ることがあります。イメージだけがあって、そんな文章が書けるはずがないのに、書きたいと願うのです。 途方もないのが夢であり、夢は何でも肯定してくれますから、それに甘えてありえない文章を夢想してみたいと思います。 レトリック…

そこそこまばらで、すかすかがいい

はい、そうなんです。まばらがまばらを読んでいるのです。認知機能に不安がある私が、どうやらまばらでまだら状になっているらしいパソコン画面をにらみながら文字を書いているのですから、そんな気がします。 画素の集まりだと言われるパソコンの画面は一部…

「そうかもしれない」

古井由吉が金沢大学の教員として金沢に住んでいたころを回想した文章を読んでいて、感動したことがあります。昭和三十八年の大雪と雪おろしの様子が書かれていたのですが、その描写力にぶったまげました。 よく見ていたなあ、よく聞いていたなあ、よく覚えて…

分からないのにそれを見ている、見ているのにそれが分からない

* 「見る・見ている」は「分かる・分かっている」ではない気がします。よく考えると当たり前ですよね。人は見ているものすべてが分かっているわけではありません。知っているわけでもありません。 たとえば、家の近所を歩いていて目にする風景を思いうかべ…

ほのめかしとしての世界

* 世界はほのめかす ほのめかす世界 ほのめかしとしての世界 世界はほのめかしに満ちている 以上のフレーズが並んでいる、あるいは並べられているさまを見ていると、それぞれにほのめかしを感じます。同時に、四つ並んでいること、あるいは並べられているこ…

不意に立ちあらわれるものについて

文章を読んでいて いまは便利になりました 私は文字 ラジオが懐かしくてたまりません 声には声の、文字には文字の 文字の顔と書きましたが ただでさえ 音楽と映画もそうです 人はままならない現実の中に 文章を読んでいて 文章を読んでいて、話を聞いていて…

夢は第二の現実

ちなみに、思いが勝手に動いたり暴走するのは、夢です(あるいは幻想や幻覚も)。ままならないという意味では夢は現実に似ているかもしれません。夢とは、いわば第二の現実です。その意味で、夢も外だという気がします。ままならないからこそ、人は夢に血道…

猫も杓子も

ままならない。 この言い方は、あまり使ったことがありません。それなのに、いまになって何だかしっくりくるので、さかんにいじっています。 ままならない。 いい感じですね。ぴったりだと思います。現実とか人生というものにぴったりの言葉ではないでしょう…

言葉をいじる

言葉を転がす 「有りのままの事実を書いて見ようと思います」 言葉をいじる 言葉は外からやって来る 言葉は最強の嗜好品 言葉、思い、現実 めちゃくちゃ気持ちいい 言葉を転がす このところ寝際によく頭に浮かぶのは、書いてみる、書いておく、書いてやる、…

書いておきたいこと

書きたいこと、書くべきこと、書かなければならないこと、おそらく自分だけに書けること。 ネット上で文章を書くときに、みなさんはどんなことを意識したり心がけていますか? SNSで文章を投稿すれば、不特定多数の人に読まれる可能性があります。 書いて…

私は言葉である

「私は言葉である」という言葉をとっかかりにして言葉をつづってみると、いろいろな気づきがあります。 「私は言葉である」とは、星野廉という人物が、「自分は言葉である」という比喩を用いて書いている文にも取れるし、言葉が自分のことを自己紹介している…

とっかかり

文章を書くときには何らかのとっかかりが必要だと思われます。私の場合には、よく言葉を並べます。そのうちに言葉が言葉を呼び寄せる感じで文章が書けてくることがあるのです。 もちろんぜんぜん書けないで終わることもあれば、数行書いただけで中断すること…

あう、でくわす、ふれる

粗雑な話になるのを覚悟して、単純に考えてみましょう。 AとBがあう、またはでくわす。それぞれが相手にふれることもあるだろう。 こんな状況とかストーリーを想像してみましょう。 AとBは、何でもいいです。人と人。人ともの。人とこと(この場合のこと…

であう、あう、でくわす

文章を読んだり書いていて、言葉のある身振りが気になってしかたがなくなることがあります。いま気になるのは「~してみる」の「みる」と、「~しあう」の「あう」です。「してくる」の「くる」と、「するようになる」の「なる」も気になるのですが、とりあ…

触れる、振る、揺らす

書こうとしても、とっかかりがないと書けないことは、みなさんが日々経験しているのではないでしょうか。言葉が出ないときには、どんなことをしていますか。 自動筆記とか自動書記とかオートマティスムといった横着な書き方があるそうですが、どうなんでしょ…

指す、ふれる、ふるえる

株については何も知りませんが、ニュースで株式市場の大きな動きが報道されるたびに頭に浮かぶのがハムスターです。昔飼っていたことがあり、そのときにピクピク体を動かすのを不思議な気持ちで眺めていたのを思い出します。 はーちゃんという名前を付けて可…

触れる、振る、震える

満月や月というと狂気を連想する人は多いようです。lunaticという言葉からの影響が考えられます。辞書にある語源の説明を見ると、その経緯が書かれていたりします。ウィキペディアの解説も面白いです。 あと、full moonとfool moonという言葉遊びもあります…

演じる、まねる、つながる

自分の振るまいが演技だと感じられ、それを意識したとたんに自己嫌悪におちいる。いやいやながら、その行動演技を続けているうちに我慢できなくなって、その場を立ち去る、あるいはその行動にかかわる人とのつながりを絶つ。振りかえると、そんな人生を歩ん…

ま~は、魔法の、ま~

頭の整理を兼ねて、前回に書いたことをまとめてみます(安心してください、前回の記事をお読みにならなくても分かるように書きますので)。 *「間違い」-「違い」=「間(※ま)」 *「間」は、「あいだ」「隔たり」「距離」「離れていること」「空間」「か…